再確認

Posted at 04/06/22 Comment(5)»

基本的に日記なんだけど、何となく自分の今後の為にも書いておきたい事があった。それは「自分は他の人に比べると良い方」とか「自分はまだマシ」とかよく考えるんだけど、正直なところ具体的に何が「良い方」なのか「マシ」なのか分からないまま、勝手に納得してはスグに忘れて生活していた。
俺は精神的にだけど、自分に弱い部分が多々あります。「とりあえず」や「とにかく」を頭に使っては、何でも先に行動をしてしまう事が多い気がする。時には行動を起こす事で道が切り開く事もあるんだけど、物欲な部分は後々経済的に後悔する事が多いよね(笑)色々と計画的に行動していきたいもんですな。

そもそも俺がこれを書こうと思ったきっかけは、俺の甥っ子(名前は "瞬")が侵された病気がきっかけでした。

今からもう6年程前の話だけど、当時俺は田舎でバンド活動をしていました。メンバーはみんな高校生だから学校に行ってるけど、俺は高校中退のプータローなのでいつも家に居た訳です。だから、まだ保育園にも通えない甥っ子の面倒をよく見てたんですよ。ところがある日、甥っ子の一枚の写真を見た時に、お袋と俺が気付いたのは眼に光る白い物体でした。いくつか写真を並べてみると、どの写真も同様の光が確認できた。早急に眼科で検査を受けた結果は、おそらく片方の目は見えていないだろうとの事。大きな病院への紹介状を受け、検査を続けていくと発覚したのは大変な病気だった。眼を蝕むガンでした。病名は「網膜芽細胞種」という病気で小児がかかるガンだそうです。

兄夫婦は勿論、俺の家族も重い空気の生活が続き、バンド活動なんかしててもいいのだろうか?と思うほどだった。病気の経過を話せば長くなるから簡潔に書いてしまうけど、病気が発覚してから1年後には片方の眼を摘出し3年後くらいには両眼とも義眼になった瞬でした。兄夫婦&家族の頑張りもあって、障害者が通うような幼稚園ではなく地元の幼稚園に入園できた。もちろん兄や俺が行っていた幼稚園なんだけど、そこに瞬が通えるというのが凄い事だった。2004年現在は小学生になった瞬。この小学校も俺が通っていた小学校で健康な子供達と一緒に勉強してるみたいですよ。

本当の事を書いてしまうと、俺は障害者という人達への関心があまり無かった。でも身内に障害者がいる事、そして共に生活する中で障害者への関心が大きく変わっていきましたよね。兄が運営している瞬のホームページにある闘病記録をたまに見返すんだけど、それを見る度に「あの時もう少し遊んでやればよかった」などなど、色々と考えてしまう。家族が大変な時期も俺は自由気ままに生きていて、バンド練習やライブ活動に明け暮れていましたもん。そういうのを含めて俺は家族にスゲ~迷惑をかけているんだなぁって思うね。こんな風に考えないと気付けない俺は相当ダメな奴です。

アホな事をしてるなんて思われるかもしれないけど、闘病記録を見た後はいつも眼を瞑って部屋を歩いてみるんだ。当たり前に住み慣れた狭いアパートの一室なんだけど、前方との距離が分からないから何だか恐い。瞬が知らない場所を歩く時は手を前に出して歩いていたのをよく覚えているけど、それがスゴイ分かる。行き止まりが指先に当たるまで、おっかないんだよね。何気なく電気の紐(通常はスイッチ)を引っ張ってみようと、眼を瞑ったまま手をかざしてみる。だけど「この辺かな?この辺かな?」って思ってはなかなか触れない。部屋の広さとか理解できてるはずなのにね。あまりに触れないから薄目で答えを見ようとする俺・・・ほんと情けない。根性無しを痛感した。

瞬は俺の顔を覚えているんだろうか?
瞬は暗闇で何を考えているんだろう?
寂しくないんだろうか?
恐くはないんだろうか?

実家に帰ると一生懸命おもちゃを自慢してくる瞬を見てると全然普通の子なんだよね。一生懸命ピアノを練習してるんだけど、起用に弾きやがるんだよね。

その点、俺はどうだろう?何か生きる為に障害があるか?普通に生きていくには何にも問題は無いよ。上京してバンドを組んでは好きなギターを弾いてる。やりたくないバイトは愚痴りつつも毎日通ってる。眼の病気の事をアイツは知りつつも何でも興味を持って頑張ってるんだ。妙に自分がはがゆくなる時があって、俺はこんなもんじゃいけないだろうって思う。障害者を可哀想だと思って良いのか悪いのかは意見が分かれると思うけど、少なくとも俺は瞬を可哀想だとは思わない。アイツはアイツなりに頑張ってるし、自分の病気を受け止めて生きてるからね。これから先、一つの事を続けていけば恐ろしいくらい成長するだろう。自分の病気すら武器になる日が来るだろう。俺は自分の為に頑張らなきゃいけないなぁって再確認させてくれるのが瞬なんだよね。

瞬の中で大きな存在でいられるように、瞬の記憶に残る一瞬の俺との思い出を翳ませる事の無いように、ありふれた言葉だけど俺は今出来る事を精一杯頑張ってみようと思いました。

"再確認"へのコメント

アニ at 05/07/28

仕事中ですけど、ふんばったけど涙ぐみました。
俺こういう話に弱いっす。マジ泣けるっす。
そうだったんですね。甥っ子さんの眼が…
俺も小学校の時児童会に行ってて同級生の友達の弟が障害者(精神)やってよく一緒に遊んだのを覚えてるな。
やっぱり始めは特別な扱いしてしまうし、めちゃ気を使ってしまう。
でもその子は一生懸命普通に生きてるし頑張ってる。
俺もだんだん普通に接するようになったのを覚えてる。
身体障害者や精神障害者は確かに「特別」な人かもしれない。そして自分は特別な人と認識して生きてる方もいる。でも障害のない人と同じ人間だし、そんなことを気にしないで強く生きようとしてる人は多くいると思う。

アニ at 05/07/28

(続き)
甥っ子の瞬君はほんと偉いと思う。
彼は何を思って生きてるんだろう。友達と自分が違うことをどう思ってるんだろう。怖いんだろうか。
私達には絶対わからないことだと思うけど、知りたいです。知っていろんな人のことをわかる人間になりたいです。

RUNABOUT at 05/07/28

昨年の記事にコメントなんて嬉しいですね。どうもです。

俺、視力めちゃくちゃいいんですけど「俺の片方の目じゃダメか?」って聞きましたよ。
でも無理なんですよね。大きさも違けりゃ、そんな簡単なもんじゃないと。
最初は凹んだよ。瞬がガキの頃だったからね。本人は見えて無い事に気付いてないんだもん。
いつだか自分の事のように泣いた事もあった。

障害者を「特別な扱い」とするならば、個人的にそれでもいいんじゃないかと思ってます。
俺は瞬を見ているせいかもしれないけど、アイツの身に付けてきた能力は凄い。
ピアノを弾いてても普通の教わり方じゃないし、覚えた方じゃないわけね。
実家に帰るとセッションするんだけど驚く部分が沢山あるんだよなぁ。
「あ~、コイツは特別なのかもしれないな」って思ったよ。
自分は暗闇の中でしか生きていけないと子供ながらに悟った上で勝負してるんだよね。
だからこそ成長が半端なく早い。とにかく耳が驚くほど良い。
そして有り得ないくらい手から吸収する情報が多い。負けっぱなしだよ。
ちょっと人よりギターが弾ける俺がチッポケに思えたよね。いつの間にか負けてんじゃんって^^

普通の人よりか、障害を持って受け止めたヤツの方が絶対強いと思う。
普通の人じゃ持てない物を受け止めたんだからね。

昔の記事だけどアニさんに伝わって良かったな。
良いヤツだねアニさんは^^それだけで十分な気さえしますよ。サンキュ。

アニ at 05/07/29

やっぱりリスクがある分他で得れるモノが大きいんだよね。
瞬君なら平成のベートーベンになれるんじゃないかな?
盲目のピアニストですね。かっちょいい。

RUNABOUT at 05/07/30

盲目のピアニスト・・・この響きいいな。
そうそう失った物が大きい分ね、得る物大きいよソリャ。
ある意味ズルいんですよ。アイツは選ばれたのだ。

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2007年1月4日
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